2013,01,31, Thursday
勇壮・華麗な男の祭り 「熊野のお燈(とう)祭り」
![]() 毎年2月6日の夜に行われる、熊野の神倉神社の例大祭「お燈祭り」は、勇壮な火祭りとして知られ、和歌山県の無形民族文化財に指定されています。 お燈祭りの歴史は古く(約1800年前から)、火の洗礼を受けるものとして始められ、全国に伝わる火祭りの中でも最も古く、勇壮なことで有名です。 ![]() 夕刻、白装束に荒縄を締めた「上り子(のぼりこ)」たちが、松明を手に熊野速玉大社から、阿須賀神社へ詣でて、神倉山に集結します。午後7時に祝詞奏上、迎火松明に点火され、上り子たちの松明に順々に火が移されます。上り子約2000人の松明が天を焦がすばかりとなった時、門が開かれ、燃える松明を手にした男たちは、538段の急峻な石段を一気に駆け下ります。火の海と化した神倉山から、火の龍が下り降りるような壮観な眺めは、新宮節にも「お燈まつりは男のまつり 山は火の滝 下り龍」と唄われています。 この神倉大社の石段は、源頼朝が寄進したものと伝えられている、鎌倉積みの素晴らしい石段で、鎌倉時代の貴重な遺物として知られているそうです。初めてこの石段を見た人は、そのあまりの急勾配に恐れを感じることでしょう。高所恐怖症の人は足がすくんで登れないかもしれません。 ![]() この急勾配の石段を、火のついた松明を手に、一気に駆け下りるのですから、このお祭りはまさに荒々しい男の祭りといえましょう。この日だけ神倉山を女人禁制にすることも、一層”男の祭り”を際立たせているように感じられます。 お祭りに参加することを「上る(のぼる)」と言うことから、祭りの参加者を「上り子(のぼりこ)」と言うそうです。 当日上り子は、身につけるものは全て”白”、口にするものは全て”白いもの”に限られ、身を清浄に、あらたかな祭事に取り組むそうです。 勇壮、華麗な「熊野のお燈まつり」、幻想的な男の火祭りに、ぜひお出掛けください! ●新宮市 熊野の「お燈まつり」 ・場所 神倉神社 ・アクセス JR新宮駅から徒歩15分 車の方は、駐車場(約6台)有り。神倉神社観光客用駐車場(7:00〜19:00) |
2013,01,30, Wednesday
田舎暮らし2月号に掲載されました
|