第51回 九度山町・折原様「紀州九度山に真田砦を!」

紀州九度山 真田砦 店内

今回お伺いしたのは、九度山町の折原様です。

今年6月、こちらに「紀州九度山 真田砦」というお店をオープンしました。

九度山町は、戦国時代の名将・真田昌幸、幸村父子隠棲の地。折原様は、戦国好きが高じて九度山町に、真田グッズをメインとした土産物店・甲胄体験・休憩処「紀州九度山真田砦」を築き中です。

お店は今年6月にオープンしましたが、まだまだ「真田砦」に向けて作業中です。

手作りの門

門、馬防柵は砦ふうに自作。
クラウドファンディングで応援いただいた方に感謝を込め、
「家臣」として、馬防柵にネームプレートを付けています。

400年の時を経て今こそ真田昌幸・幸村父子隠棲の地・紀州九度山に真田砦を!

もともと戦国好きで、全国の山城跡などの史跡めぐりを行っていた折原様ご夫妻。もちろん真田氏と真田昌幸・幸村父子隠棲の地・紀州九度山も大好きでした。

せっかく真田ゆかりの地が近くにあるので、何か真田・戦国時代に関係することができないか?と考えていました。

NHK大河ドラマ「真田丸」が転機に

奥様は、以前から紀の川市でオーダーTシャツ店を経営されていました。
そんななか、2016年のNHK大河ドラマ「真田丸」に合わせて、九度山町に多くの方々が訪れました。
町では「道の駅くどやま」内に、期間限定で「おみやげ館」を開設し、たくさんのお客様をお迎えしました。戦国好きの折原様は、そちらで販売するオリジナルTシャツなどを販売することになりました。

「おみやげ館」は真田丸の放映終了後1年間ほどで閉店しましたが、折原様は「真田昌幸、幸村父子ゆかりの地・九度山で、真田を語れる場所を作りたい!」と思いはじめました。

「九度山」にこだわって物件探し

そこで、九度山でお店にできる物件を探し始めました。できれば真田庵や真田ミュージアムの近くがよかったのですが、「真田砦」を築くには街中では難しい。そこで見つかったのがここ、九度山町下古沢でした。
九度山の街中からは少し離れていますが、南海高野線の下古沢駅が近くにあり、高野山への国道370号線沿い。数台の駐車スペースもあり、庭に小さな「砦」もできる。

昨年11月に見てまもなく購入。年明けには「真田砦」に向けて改修を始めました。

クラウドファンディングで同志を

手先の器用な折原様は、改修をできるだけ自分自身でと考えました。しかし、材料費だけでも費用がかかる。また真田を語れる仲間も広げたい。そこで、クラウドファンディングに挑戦しました。
平行して資材集めも行い、ほとんどを自分で改修、6月に店舗「紀州戦国屋」をオープンしました。

真田・戦国グッズがいっぱい!

店内掛け軸は、真田幸村14代当主・真田徹さんの書

店舗では真田グッズなどの販売と小さな喫茶スペースがあり、甲胄体験もできます。
真田氏をはじめ戦国大名の家紋・花押などをデザインした陣羽織や財布、ハンカチ、キーホルダー、帽子などのグッズも並んでいます。喫茶スペースには真田・戦国関連の書籍もあり、コーヒーを飲みながら読みふけるお客様もいらっしゃるそうです。

Tシャツなど
戦国グッズ等

各武将の家紋等がプリントされた升
喫茶スペース

「紀州戦国屋」店内360°パノラマ

360°パノラマ(googleマップにリンクします)

甲冑

甲冑体験では、甲冑を着て写真を撮ることができ、大人用に加えて子ども用もあるので、親子で甲冑を着ることもできます。

自動販売機

シカの角が生えてる自動販売機。飲料のほか、オリジナルグッズも販売しています。

地区の皆様の集いの場にも

店舗部分と別の母屋部分には、展示室を準備中です。また和室では地域の方の会合などにも利用いただいています。

母屋のお部屋

お店の改装中から、近所の方が散歩がてら声をかけていただいたり、コーヒーを飲みに来ていただいたりしているそうです。やはり九度山町の皆様には「真田」は身近なのですね。

戦国好きの「異空間」に

折原様は、ここを「戦国好きの方々の異空間」にしたい、同好の士が集まる場所として、また地域の交流の場にしたいと、まだまだ改装中です。

また全国の真田・戦国関連のイベントにも出店したり甲冑を着て行列に参加したりと、九度山のPRにも努めています。


九度山町

九度山町は、紀の川市の中流域にあり、高野山への参詣道の入り口でもありました。

真田昌幸・幸村親子ゆかりの地として、街中には蟄居の地である真田庵や「九度山・真田ミュージアム」があり、街中を歩くとそこここに真田家のシンボル「六文銭」が見られます。

また、かつては高野山への参詣道でもあり、参詣道の高野山町石道、慈尊院、丹生官省符神社は世界遺産にも登録されています。

紀の川の支流となる谷あいは美しい川が流れる美しい自然に恵まれ、秋には特産品である「日本一の富有柿」の収穫で賑わう町です。

真田庵

真田庵(善名称院)
真田幸村父子の屋敷跡に建てられたお寺。

九度山・真田ミュージアム外観

九度山・真田ミュージアム
幸村の九度山での生活を、パネル展示やドラマ仕立ての映像により紹介。

慈尊院

慈尊院
法大師の御母公が暮らしておられた寺院。高野参詣道の入り口でもあり、世界遺産登録されています。

柿

九度山の富有柿
和歌山県は、柿の生産量日本一。そのなかでも九度山町の富有柿は高い評価を得ています。

参考リンク

第50回 田辺市龍神村・緒方様「映画の舞台で宿泊」

緒方様

今回お伺いしたのは、田辺市龍神村の緒方様です。
2年前にこちらで宿泊施設「吉祥(KISHO)」をオープンしました。
この家は龍神村の林業家の築170年の古民家なのですが、実は1991年に公開された映画「大誘拐 RAINBOW KIDS」で、「和歌山の最後の山林王」当主宅としてロケに使われたほどの立派な古民家です。

上空から見た吉祥
平屋の主屋・離れと、2階建ての母屋、事務所として使われていた別棟があります。

カナダから日本にUターン

緒方様は長野県出身ですが、小さい頃に家族でカナダに移住され、30年近くバンクーバーで暮らしていました。
そのうち日本文化に興味をもち、日本での暮らしを夢見るようになりました。

想像以上の物件

緒方様は最初、備長炭の製炭師を志して和歌山県で移住先を探すようになりました。何軒かみているうちに出会ったこの家。もちろん高価だったため、「ひやかし半分」で見に来たそうですが、立派な佇まいに加えて田辺市の移住担当者の対応や近隣住民と触れ合ううちに、「二度とこのような物件は出ない」と決められたそうです。
引っ越してからも、近隣の方々に親しくしてもらい、ますます龍神村とこの家が気に入りました。

母屋と庭
2階建ての母屋と美しい庭。

日本の良さを紹介したい

大きく立派な造りなので、日本文化に興味のある海外のお客様をお迎えしたいと、宿泊施設として活用することになりました。部屋は7室、13人の宿泊が可能です。

小さいころからカナダで暮らしていたため、当然ですが英語が堪能で「吉祥(KISHO)」のホームページも現在は英語のみとなっており、海外からのお客様が7割。
大阪の観光会社で外国人向けのツアーガイドも行っており、今後も宿泊と合わせて続けていきたいとのことです。

360°パノラマ画像
360°パノラマ(googleストリートビューにリンクします)


和室
和室と広い玄関の板の間。
映画では事務所のように使われていました。

部屋から眺める庭
広い縁から眺める庭。

広い部屋
主屋と母屋に挟まれた離れ。とても広い部屋なので、ロビーのように使っています。

母屋1階
2階建ての母屋の1階。立派な部屋と縁があり、大きなガラス窓から庭が見えます。


田辺市龍神村

龍神村は、2005年に合併し田辺市となりました。和歌山県最高峰の龍神岳(標高1,382m)や護摩壇山、笠塔山、虎ヶ峰など1,000m級の山々に囲まれた村。日高川が村内の中心を流れ、ほとんどが山林で、その名のとおり龍が棲んでいるような村です。古くから林業が代表的な産業で、植栽されたスギ、ヒノキなどの森林資源が豊富です。

龍神温泉

紀州徳川家の藩主も湯治に訪れた、歴史ある温泉。「日本三美人の湯」としても有名です。旅館・民宿の他、共同浴場もあります。

龍神温泉

参考リンク

第49回 橋本市・谷山様「便利な二地域居住」

今回お伺いしたのは、橋本市高野口町の谷山様です。
大阪府河内長野市に自宅がありますが、橋本市の旧高野口町の古民家を「第二の住まい」として楽しんでおられます。
「別荘」ではなく「第二の住まい」というのは、河内長野市の自宅から車で1時間もかからないため、1年の3分の1はこちらに来ている「二地域居住」だからです。

谷山様ご夫妻築百年くらいは経っているだろうという母屋と谷山様ご夫妻。
先日はテレビ朝日の「人生の楽園」にも出演されましたので、ご覧になった方も多いのではないでしょうか。

夢をかたちに

谷山様はもと中学校の美術教師で、画家としても活動しておられました。大阪の自宅はアトリエを中心にした近代的な造りになっています。
画家としての活動に専念するため、定年より少し早く退職しました。同い年の奥様も小学校教師だったのですが前後して退職。体操教室など、地域での活動を始めました。

そのころ、絵を通じて知り合った友人が奈良県で田舎暮らしを始めました。訪れるうち、周りの自然や近隣とのお付き合いなど、都会では得られない暮らしへの思いが強くなってきました。

「近い田舎」で物件を

田舎暮らしにも憧れるが、画家としての活動の拠点は河内長野市の自宅。そこで、泉南の山沿いや奈良なども含め、自宅から車で1時間以内を条件に探し始めました。
じっくりと探しているうちに出会ったのが、ここ橋本市高野口町嵯峨谷。谷あいなのですが南向きで、少し広くなったところにある10軒ほどの静かな集落です。来てみれば街から遠いように思えますが、京奈和自動車道の高野口ICからわずか4.5km。河内長野市の自宅からも車で45分ほどと、教師時代の通勤時間の半分でした。

橋本市は大阪中心部からの南海高野線が通っているほか、河内長野市からの道路も整備されているため、大阪のベッドタウンでもあります。市街地にも近く、自宅周辺になかったコメダ珈琲店さえ近くにあるほど、生活や買い物に不便はありません。

そのうえ、前のオーナーがリフォームしていたため、古民家とはいえ不便はありません。家のすぐ横にちょうどいい広さの畑もあります。欲を言えば「蔵」が欲しかったのですが、2階建ての物置もあります。
希望通りの条件で、2014年の春から「二地域居住」を始めました。

古民家の良さを生かして

前オーナーが古民家の良さを生かしながらリフォームしていたため、そこに谷山様ご夫妻のさまざまな楽しい工夫をされています。

玄関玄関を入ると、谷山様の絵などの作品が出迎えてくれました。奥に見えるのは古いオルガン。

 

室内伝統的な「田」の字の部屋。タンスは奥様が結婚時に持ってきたものですが、まるでこの家に来るのが決まっていたように馴染んでいます。
梁が太く、天井が高いため、解放感もあります。

 

床の間床の間の絵はもちろんご主人の作品。変わった額縁と思ったら、これもご主人の作だそうです。

 

ダイニングキッチン

田の字の部屋に続く台所。もとは土間だったものを、板の間にして使いやすくリフォームされていました。

 

畑1
畑2
家の横にある畑。十分な広さにビニールハウスもあり、いろいろな野菜や果実を栽培しています。

野菜がお客様?

奥様は年4~5回、歌のステージに立つことがあります。大阪でのライブハウスなどで、シャンソン・ジャズなど幅広いレパートリーを披露されているそうです。
実はその練習にも畑が活用されています。畑の野菜を、ライブ会場のお客様(?)に見立てて練習されているそうです。
音楽を聞かせて野菜栽培というのも聞きますが、それだけ愛情を持って育てられた野菜や果物は、きっとおいしく育つでしょう。
また、地区内に「ふるさと体験村」(橋本市高野口山村交流促進センター)があり、そちらの恒例イベントのときにも歌う機会もあるそうです。

天井と梁1
天井と梁2
高い天井と太い梁。お二人の集めていたものの中から、似合うものを飾り、この家の雰囲気や良さをさらに引き立てています。

物置
物置の2階
畑の隅に2階建ての物置。1階には農作業の道具などが入っているほか、2階にはご主人のミニアトリエも。さながらご主人の「秘密基地」のようです。

地域との交流

訪れはじめて嬉しかったのが、地域の方のあたたかさ。ちょうどいい距離で家が建つ集落で、気さくに声をかけてくれたり、おすそ分けをいただいたりします。
また、近所の奥様が「男性陣はすぐに集まって飲むけど、女性陣も集まりましょうよ」と言って、歓迎会や交流会を開いてくれたりしました。

谷山様から積極的に挨拶などをするのもありますが、たまにニュース等で聞く田舎の閉鎖性も感じません。聞いてみると、街に近いので会社などに勤めていた方がほとんど。皆さん、町と田舎のいいところをバランスよく取り入れているようです。

移住にも一役

この地を気に入った谷山様は、橋本市の定住促進にも協力し、パンフレットへの掲載等にも協力しておられます。
最近、近所に新しい移住者がやってきました。30代のご夫婦と子供の若い移住者です。物件探しで来られたときに谷山様が会い、集落の良さを熱く紹介したのが決め手だったようです。
ご主人はデザイナーで、画家である谷山様とも話が合うのもあり、谷山様も集落の皆様も大歓迎。さっそく谷山様宅のガレージで歓迎会を開いたそうです。

集落風景田畑を挟んで隣家。寂しいほど遠すぎず近すぎない適度な距離感があります。

 

橋本市高野口町

「高野口」という名の通り、かつては高野山への参詣口・宿場でした。現在の和歌山線の高野口駅が開通したのは明治30年代、現南海高野線が大正初期に橋本駅まで開通したことで、高野口駅前には旅館やお店が立ち並び賑わったそうです。その賑わいは、大正後期に南海高野線が高野下駅まで延伸されるまで続いたそうです。

旧葛城館

旧葛城館

高野口駅前に建つ木造三階建ての旅館。(現在、旅館は営業していません)
国登録有形文化財です。平成24年度に保存修理が行われました。
高野口駅開業当時の建築とされています。2階・3階は総ガラスで、明治後期としては珍しかったのではないでしょうか。

高野口小学校

旧高野口尋常高等小学校校舎(高野口小学校)

重要文化財でありながら、耐震工事を施して現在も高野口小学校として利用されています。
昭和12年の建築で、正面の横長の棟に4棟が櫛型につながった、戦前期の木造校舎建築の特徴を良く示している歴史的価値が高いものとされています。

参考リンク

橋本市の紹介や定住支援

テレビ朝日「人生の楽園」

第48回 紀美野町・平石様「忙しい『のんびり』を満喫」

今回お伺いしたのは、紀美野町の生石高原を望む地で農家民泊をされている平石様です。
農家民泊だけでなく、奥様のお料理の腕を生かして、一組限定のお食事処もされています。

紀美野町には、カフェやパン屋さん、農家民宿などを運営している移住した人も多く、町も移住政策に熱心で多くの方が移住されています。

家の前から望む生石高原(中央左が山頂)。静かだけど寂しくない「ちょうどいい田舎」

夢の実現に向けて

平石様ご夫妻は、もと機械メーカーのサラリーマン。ご主人様が定年すこし前に退職したのを機に、こちらに移住しました。
大阪で暮らしていたのですが、お二人とも都会よりも田舎で暮らしたいとの夢がありました。

ご主人は海釣りが好きで、釣りに行けるところが希望でした。

奥様も同じ会社だったのですが、10年ほど先に退職し、得意な料理のお店をしたいと調理師免許を取得していました。

お二人とも夢の実現に向けて、着々と準備を進めていたそうです。

やっと見つけた希望通りの物件

ご主人は田辺方面によく釣りに来ていたこともあり、最初は県南部の田辺や中辺路を中心に探していました。

「せっかくなら古民家風の家がいいけど、利便性を考えると水回りなどすぐにでも住める状態がいい。また民泊や小料理屋もしたいので、母屋と離れがあり、畑もあれば。」という難しい条件でかなりの物件を見たのですが、なかなかいい物件が見つかりません。

そんなとき、和歌山県の移住イベントで紀美野町のブースを見て、県南部から紀美野町周辺にも探す範囲を広げました。
そこで当社にご相談いただき、多くの物件をご紹介いたしました。
平石様にも何度か足をお運びいただき、やっと見つかったのがこちらでした。

平石様のお宅は、農家民泊やお食事処として使っている木造家屋と、少し新しい鉄骨ALCの家が隣接しています。鉄骨ALCの家は直前まで元の住人が暮らしており、すぐに住める状態でした。
望み通りの物件だったため、昨年の2月に引っ越してきました。

また木造家屋はもとの母屋だったようですが、それほど古くなく、一部はそのままでも使える状態でした。
まずは新しいほうの家を住居として引っ越し、木造家屋を民泊兼お食事処としてリフォームしました。

お食事を提供するスペース。天井は梁を生かして高くしています。
一回一組限定で、自家栽培の野菜を中心に提供しています。

移住・開業のサポート

引っ越してくるといっても、都会から田舎に来ると、ご近所とのお付き合いなど戸惑うことも多くあります。しかし、紀美野町では移住政策に熱心で、担当職員によるアドバイスやサポートがあり、大変助かったとのことでした。

民泊を開業するにあたっても必要な手続きなどのサポートがあり、開業後は小学生の農家宿泊体験、海外(マレーシア・シンガポール・台湾)の学生による宿泊体験、移住希望者向けツアーの宿泊など、送客も協力してくれています。

また町の事業や紹介で知り合った他の移住者の方たちとも懇意にしており、情報交換などができるのもありがたいそうです。

民泊に使用しているお部屋。トイレ・お風呂はリフォームしましたが、しっかりした造りだったのでお部屋はほぼそのまま。田舎の家の雰囲気が残っています。
田舎暮らしを考えられている方も、お二人の体験談を聞きがてら宿泊してみてはいかがでしょうか。

ご近所にも溶け込んで

紀美野町には移住された方が多いため、住民の皆様も暖かく迎えてくれたそうです。

ご夫妻の人柄ももちろんですが、近所に挨拶に伺ったらいろいろと教えてくれたり、お食事処をオープンした際にはご近所の皆さんを招待したり、ご主人が大漁だったときは魚を配ったりしているうちに、すっかりと地域に溶け込んでいったそうです。
また畑を貸していただいたり、お茶をつんで茶もみを教えてくれたりなど親切にしていただいているそうです。
そのうえご近所の方がお食事や宴会にも利用してくれるようになり、「民泊よりも食事の方が多い」ようになりました。

もともとこの地域は、シュロを栽培してタワシやほうき生産が盛んだった地。家の前に、放置されて伸び放題のシュロの木があったので伐採し、看板に活用しています。
近所の方には、看板はなくても「もと〇〇さんの家」や「〇〇さんの家の隣り」でわかるそうですが・・

便利な田舎暮らしに大満足

田舎とはいえ、道路整備が進んでおり、市街地からはほとんどが2車線の道路で、高速道路の海南ICから20分ほどと便利なところです。スーパーやホームセンター、病院には10分ちょっとなので普段の生活には困りません。

そんな便利なのに、静かで自然が豊か。
春はウグイスの声が、そのあとは新緑、家に入ってくるほどの蛍、そして満点の星空。都会と全然違うお米や水のおいしさ。自家栽培の採れたて無農薬野菜。

ご主人のお母さまもご一緒なのですが、都会と違い車もほとんど通らないため、散歩をしても安心。引っ越してからのほうがお元気になられたそうです。

正面奥に見えるのが平石様のお宅。川の右側は2車線の車道ですが、平石様側はほとんど車は通りません。

野生動物にはビックリ

町役場の担当職員から、獣害が多いので対策することを聞いていたため、まずは畑のまわりに猪対策の柵を設置しました。しかし、鹿は柵を飛び越えて、アライグマやタヌキはどこからともなく侵入してきます。
ここでも町役場の協力で捕獲したりしていますが、「まあ近くで野生動物を見られるのもいいか」と、ある程度はあきらめているとのことです。

いちばん驚いたのは、猟犬に追われたイノシシがすぐ近くを走り抜けたこと。このときばかりはビックリしたそうです。

いろいろな野菜を作っている畑。ここ以外の畑にもともとあった柿・梅・びわ・レモンなどに加え、ブドウも植えたので、年間を通じての収穫も楽しみのひとつ。

「のんびり」ばかりはしていられない

「田舎暮らし」というと、のんびりした生活を想像しますが、平石様ご夫妻はなかなか「のんびり」しておられません。民泊や食事のお客様もありますが、自家菜園や裏山の手入れは毎日、ご主人は釣りに、奥様はなんとソフトボールの現役選手。学生時代から続けておられて現在もシニアチームでプレーされており、近々県代表チームの一員として大会出場されるそうです。

お子様・お孫さんも楽しみに

ご夫妻には3人のお子様と5人のお孫さんがいらっしゃいます。大阪、名古屋在住とのことですが、遊びにくるのも便利。
ただ、休みにはお客様もいらっしゃることが多く、ここでも「のんびり」とはしていられないそうです。

それでも都会生活とは違う豊かな自然のなかで、忙しい「のんびり」を自分のペースで満喫されている平石様ご夫妻でした。


紀美野町の名所「生石高原」。見渡す限りのススキを、360度パノラマでご覧ください。
(クリックするとgoogleにリンクしてパノラマがご覧いただけます)

平石様の「四季の宿 きみの」紹介ページ(紀美野町観光協会内)

紀美野町の紹介や定住支援

第47回 海南市 D様 「海外から移住して田舎暮らし」

デーゲンコルベ様ご夫妻

今回お話を聞かせていただいたのは、この「田舎暮らしレポート」初の海外から移住された方です。
奥様は日本人ですが旦那様がドイツ人。お二人はシンガポールの会社でお仕事をされていながら、海南市で田舎暮らしを始められたというD様ご夫婦です。

シンガポールでは11年ほど過ごされたそうで、どうしていきなり日本の田舎暮らしに?と疑問に思わざるを得ませんでしたが、「ずっと都会で暮らしてきたので、次は田舎暮らしをしてみたかった」とのこと。お二人はシンガポールに移住する前は大阪で暮らしていたこともあり、都会での生活が長く続いていたため、かねてより田舎暮らしをしたいと思っていたそうです。

なぜ和歌山に?

まずは奥様の実家も大阪なので、できれば関西圏でということで、シンガポールからインターネットで探しはじめました。

大阪周辺では丹波なども考えたそうですが、冬は寒そう。またお仕事でシンガポールに行くのに空港に近いこと。いろいろと検討し和歌山を選んだのはもう一つ、美しい自然がたくさんあって、旦那様が大阪に住んでいた頃に趣味のバイクツーリングで良く訪れており、親しみを感じていたのだそうです。

お気に入りのご自宅

何箇所か見て回り、海沿いの別荘など気に入った物件もあったのですが、この古民家の佇まいと周辺の環境を見てとても気に入り、すぐに購入を決めたそうです。
古民家とはいえ、すでに水回りなどはリフォームされており、すぐにも住める状態でした。
また、奥様は在宅でお仕事をされており、ご主人も仕事用の場所が必要なので、ここなら離れを使って事務所スペースを取れるのも大きかったそうです。

元の玄関部分

もとの玄関はコンクリート貼りの土間でしたが、ウッドブロックを敷いてくつろぎスペースに。

キッチンダイニングに置いた薪ストーブ。もともとは古民家らしい土間だったようですが、板張りの床にリフォームされています。
古民家の欠点は、冬は隙間から冷気が入って少し寒いこと。しかし薪ストーブを焚けばかなり暖かいそうです。
愛犬のみかんちゃんもお気に入りの様子。
納屋ここに決めたもうひとつの理由が、納屋があること。
古民家の古い納屋に、こんなバイクがあるとはちょっとびっくり。
確かに和歌山は、高野龍神スカイラインや海沿いの国道など、ツーリングには人気のある道も多いです。

家の周りは段々畑

家の横の畑

家のすぐ横に段々の畑があります。
以前住まわれていた方が植えていた、みかん・もも・柿・ブルーベリーなどの果物の木があります。

物置には農具がたくさん残っていたので、空いているスペースに自分でも少しずつ野菜などを植えて育てているそうです。
ただし植えた芋が収穫直前にイノシシに食べられてしまったこともあるそうで、獣害対策もあわせて進めていく必要がありそうです。

ミツバチ巣箱畑のなかにミツバチの巣箱がありました。
まだ始めたばかりの初チャレンジですが、詳しい友人に教えてもらって自家製ハチミツに挑戦中とのこと。
オリーブの苗新しく植えたオリーブの苗。最初に植えた場所は、春から夏は日当たりが良かったのですが、冬になると日が当たらなくなってしまったので、別の場所に植えなおしました。

「田舎過ぎない」田舎暮らし

道路から少し入った高台になるので、静かで眺めも良い庭先はひと休みに最高。
家の佇まいや立地など、この場所はお二人の条件「田舎過ぎない田舎暮らし」にぴったり。
静かですが庭先からは民家も見えるので寂しい場所ではありません。最寄りの駅や高速道路のインターチェンジには車で15分程度と近く、スーパーやコンビニ・ホームセンター・銀行・病院は10分以内。

何より旦那様は仕事の都合で月に1週間程度シンガポールで過ごされるそうで、関西国際空港に行くのも、車で1時間以内。大阪市内よりも早いかもしれません。

自然豊かで便利なまち、海南市。

JR海南駅

海も山も近く、自然が豊かな海南市。それでいて、JR海南駅には「特急くろしお」も停まり、大阪や京都までは電車1本で楽々行けてしまいます。
高速道路のICは市内になんと3箇所。車で関空まで1時間以内、南に行けばリゾート地の白浜温泉までは1時間ちょっと。
都会に行くにも自然に親しむにも便利な場所です。

海南市の市街地を見下ろす山上からの眺め。
すぐ隣は県庁所在地の和歌山市で、和歌山市の隣は大阪府の泉南となり、関西国際空港があります。
田舎暮らしからすぐに都会へ、そして海外へ。
意外と便利な、田舎暮らしができるまちです。

第46回 紀美野町 玉置様 「農家民泊で町の活性化に」

玉置様ご夫妻

今回お伺いした玉置様は、紀美野町の古い商家(薬局)をリフォームし、住居兼事務所として使われています。
2015年に一度取材した方ですが、今年の5月より農家民泊を始められたとのことで、再度お伺いしました。

紀美野町は、人気のカフェやレストラン、手作りパン屋さんなどが多く、休日には「何でこんな田舎にたくさんの車が?」と思うほど、お気に入りのお店を訪れる人が多い地域です。

玉置様はこの地を気に入り、なんとか地域の活性化につながることができないかを考えておられます。
そこで、母屋から中庭を挟んだ離れと元倉庫を整理し、民泊型宿泊施設を始められました。

ご夫妻ともお仕事をされているので食事の提供などは行っていませんが、町内のお店を紹介することで、地域全体を巡ってもらおうとのことです。持ち込みもOKで、バーベキュー用品の貸し出しも行っており、庭でのバーベキューも楽しむ方もいらっしゃるとのことです。
また都市部から紀美野町に訪れる民泊体験の小学生など、町の取り組みにも協力されています。

離れ室内

まずは母屋から中庭を挟んだ離れ。8畳と4畳の続きで、静かにくつろぐことができます。
なお、トイレとお風呂場はすぐ前の別棟になります。昔の農家のような感じですね。
車やバイクの方には、お風呂は町内の「美里の湯 かじか荘」などをお勧めしているそうです。
>360度パノラマで見る(googleマップ)

■タイムスリップしたような「田舎の隠れ家」

そしていちばん楽しそう(?)なのが、かつての倉庫の建物。屋根裏に畳を敷き、こちらに宿泊することもできます。

横長の建物で、右側の1階は土間。キャンプのように椅子やテーブルを持ち込んで楽しまれる方もいらっしゃるようです。もともと薬店だったからか敷地の塀が高く、外からは見えません。土間なので自転車を持ち込むこともできるので、サイクリストの方々にも良さそうです。
軒先でのバーベキューを楽しまれる方もおり、「山間の田舎に里帰り」気分を楽しめます。

左側の1階は小上がりがあり、靴を脱いでくつろぐことができます。

小上がり

>360度パノラマで見る(googleマップ)

■「田舎の隠れ家」で宿泊

寝室は左右それぞれの2階屋根裏。隠れ家のような雰囲気で、昔の農家にタイムスリップしたような雰囲気が楽しめます。古い木造なので、立派な梁が目を引きます。

■鉄馬(バイク)乗りも歓迎

また、名称を「ライダーハウス&農家民泊 紀州北峯山 杌庵」とされているとおり、ご自身も大型バイク乗りの玉置様。ライダーの仲間たちにもぜひ来ていただきたいとのことです。
宿泊時は大事なバイクが心配ですが、シャッター付きのガレージがあるので安心。特にソロライダーの方は、ルームシェアになりますが「寝袋持参なら割引!」サービスもされているそうです。

バイカー向けマップ

こちらを拠点に、町内や周辺のいろいろなところを巡ってほしいとの思いから、土地勘のないバイカーにも大体の距離と所要時間がわかるマップを作りました。

サイクルステーション

和歌山県の推進するサイクリングへの取り組み「サイクルステーション」にも協力し、空気入れと簡単な工具を置いています。

■「人」が財産

紀美野町の観光PRムービー「最高の‘ない’がここにある」にある通り、街にあるような便利なものはありませんが、あたたかい人がいる町。

もうひとつの観光PRムービーは「訪日外国人観光客”0″の町」なのですが、宿泊予約は Airbnb や Booking.com で受け付けているので、杌庵には海外からのお客様も来られたそうです。ドイツ、フランス、台湾、中国からこられたので、すでに「訪日外国人観光客”0″」ではなくなりました。
特にフランスからのお客様は、夕食時に近くに一軒だけある居酒屋さんに連れて行ったところ、地元の常連さんと大変仲良くなったそうです。しばらくして迎えに行っても帰りたがらず、3回目にやっと帰ってくれたとのこと。

ほとんど外国の方が来たことがないのに、それほどまで暖かく迎えてくれる人たちがいる紀美野町。玉置様も、この地をもっと活性化したいとの思いで宿泊施設を始めたそうです。

「最高の‘ない’がここにある」そのまま、豪華な部屋も料理も何もないのですが、気軽に泊っていただき、「紀美野町内を楽しんでほしい」との一心から。

■紀美野町の魅力を発信

町内には、人気のカフェやレストラン、手作りパン屋さん、ジェラートのお店など、魅力的なお店がたくさんあります。またみさと天文台、温泉や生石高原などの見どころもあります。
ただ、今まで泊まられた方に聞くと、町内を巡る予定が少ないのに気づきました。そこで、他のお店や施設などを訪れ、町内の魅力を知り、どんどんお客様に紹介したいとのことです。

見渡す限りススキ「生石高原」。紀美野町の見どころのひとつ。

紀美野町を知るホームページ

 

 

 

第45回 貴志川町 豊原様「古い旅館をゲストハウスとして再活用」

オーナーと貴水苑

今回は、紀の川市貴志川町で一棟貸しゲストハウス「貴水苑」を経営している豊原様にお話をお伺いしました。

貴志川は高野山付近を水源とする紀の川水系最大の支流です。町名も「貴志川町」となっているくらい、川を中心とした地域です。
近くの「貴志駅」は和歌山電鐵貴志川線の終着駅で、猫の駅長「たま」(現在は「ニタマ」)が有名で、多くの観光客が訪れています。

「貴水苑」の付近はホタルの棲む清流として知られ、ホタルの鑑賞時期には観察施設「ほたるの館」も開館します。対岸には「大國主神社」があり、後鳥羽上皇のお歌「ふたまたや 又二股の川中に しるしの鳥帽子われは立ておく」も残っています。

目の前の「国主渕」は、烏帽子(えぼし)岩、鞍懸(くらかけ)岩、天狗岩、龍宮岩などの名前が付いた大岩があり、かつては名勝として賑わっていました。10年ほど前までは屋形船の遊覧船があり、川魚料理やホタル観賞を楽しんでいたようです。そのため、貴志川線も近くまで通じていたのではないでしょうか。この建物も、かつては名勝を望む旅館・料亭だったようで、周辺には他にも旅館があったようです。

国主渕

2階から眺めた「国主渕」。対岸の木々に隠れているあたりが、名前が付けられた大岩と思われます。
この日は田植え時期なので下流の堰堤でせき止めて多めに水を貯めており、また前々日の雨で水が濁っていますが、普段はもっと綺麗なようです。
なお見えているつり橋は現在通行不可となっています。

宿泊施設として活用

2階

「田舎暮らしレポート」なので、普段は移住した方を紹介しているのですが、今回はちょっと違った使い方をされています。

その使い方は、「一棟貸しのゲストハウス」。

オーナーは普段大阪に住まわれていて、大阪でも家庭菜園やヤギを飼ったりされているそうです。ゆくゆくは移住したいとのことで数年前から希望に合う物件を探しており、昨年初めにこの物件が出たときにほぼ即決で購入し、リフォームして宿泊関係の許可をとりました。

自分が「田舎暮らし」をするのではなく、お客様に「田舎暮らし」を体験いただくゲストハウスとしてオープンしました。他にあまり例が無いように思いますが、安定して利用いただいているとのことです。

眺望・檜風呂・交通・・希望通りの物件

元旅館・料亭とのことで基本的な設備はあったのですが、かなり以前に営業は終了していたため屋根や外壁の補修などは必要でした。

また内装もリフォームしました。「費用も掛かるのでそれほど大きくは変えていないんですよ」とのことですが、そうとは思えない心地よく現代的な雰囲気が漂っていました。

川面を眺めるリビング。椅子・テーブルはこの雰囲気に合わせて購入。またカーテンは視界を遮らないシェードカーテンですっきり。
下の道は狭いので車はほとんど入ってこず、一段高くなっていてカーテンを開けていても視線が気になりません。

1階和室。5畳の小さな和室ですが、川面を見ながらゆったりとくつろげます。

日本旅館のような檜風呂。小さなものですが、檜の香りが爽やか。

希望に合う方に泊まってほしい

豊原様は外国語にも堪能で海外在住経験もあることから、外国の方にも和歌山の魅力を知ってほしい・来ていただきたいとの思いで、現在はAirBnBで予約を受け付けています。

「和歌山県は気候も風土も食材も人柄も素晴らしいところ。これからもっと訪れる人が増えるはず」と豊原様。だからこそ、満足して帰ってほしい。そこで、問い合わせがあったときにお客様の要望に本当に合っているかどうかを何度もやり取りして、お客様に決めていただいているようです。
また、来られるお客様にはできるだけ要望がかなうよう、周辺の紹介を行ったり、チェックイン・チェックアウト時には直接会ってお話をされているとのことです。

2階のパノラマ(Googleストリートビュー)

googleストリートビューへリンクします(クリックするとgoogleストリートビューにリンクします)
2階には和室・板の間・広縁があり、貴志川を見下ろす眺望と対岸の緑が素晴らしい借景になっています。
訪れた日も、断食座禅のサークルが数日泊まっておられたようですが、そんな用途にもぴったりですね。
広いので、1階の和室を合わせて最大15名まで泊まることができます。

続きの庭にあるスペース。バーベキューにもぴったり。
ここも一段高くなっていて、2階から直接出入りできる裏口があります。また可動式の「かまど」も作っている途中で、「ぜひかまどでご飯を炊く体験もしてほしい」とのことでした。

かつて屋形船があった名残でしょうか、建物のすぐ前から河原に降りる階段もあります。カヤックも貸し出しており、すぐに下ろすこともできます。

海外の方にも利用してほしい

豊原様は、英語はもちろんスペイン語も堪能とのことで、「熊野古道がスペイン・サンティアゴの巡礼道と姉妹道提携しているので、スペインの方々にも利用してほしい」とのこと。

熊野古道からは少し離れていますが、訪れてもらえるよう周辺の魅力を発掘して、こちらでも楽しんでいただきたい。

いろいろなフルーツが採れる紀の川市なので、敷地内に別棟を建ててフルーツを利用したカフェもしてみたい。

同様の施設を作って、もっと皆さんに利用してもらいたい。

いろいろと夢が広がっているようですが、豊原様なら「夢」ではなく必ず実行されるのではないでしょうか。


貴志川町・紀の川市のご紹介

猫の駅長「たま」のいることから有名になった「貴志駅」。駅舎も猫の形をしています。
※現在の駅長は「スーパー駅長 ニタマ」
(貴水苑から徒歩約7分)
和歌山電鐵貴志川線は、写真の「たま電車」のほかにも「いちご電車」「おもちゃ電車」など楽しい電車が走っています。

紀の川市桃山町は「あら川の桃」で有名な桃の産地。「桃源郷」と呼ばれ、春には桃の花がいっぱい。
(貴水苑から約7km)
桃畑を「最初が峯公園」から見下ろすと、一面ピンクのじゅうたんのようです。
(貴水苑から約11km、車で約30分)

 

第44回 白浜町 N様 『リゾート暮らし付きオフィス』

西様ご夫妻今回は全国有数の温泉郷・白浜町。白良浜や円月島などの景勝地はもちろん、最近はパンダの町としても有名で、アドベンチャーワールドでは9月に赤ちゃんが生まれたばかり。
また白浜には「南紀白浜空港」があり、東京から70分ほどと便利なところです。
今回訪れたN様は、東京に多くのクライアントを持つデザイナー・ディレクター。便利さを最大限に利用し、お仕事を続けながら「リゾート暮らし」を始められました。

大海原が庭

屋上からの眺望

N様のお宅は、白浜温泉街から近くて便利ながら幹線道路から少し入った静かなところ。
そのうえ海を見下ろす最高のロケーション。庭先のすぐ下の海岸は三段壁・千畳敷という景勝地に続く「吉野熊野国立公園」に指定された海岸線で、屋上から見下ろすとまるで庭のよう。実際に徒歩1分でこの勇壮な海岸に降りることができます。
国立公園の海岸が庭先という、贅沢すぎるロケーション。誰もが憧れる眺望が楽しめます。

海岸

デザイナー・ディレクターとして活躍

N様は高度成長期から、当時まだ少なかったデザイナーとして東京で活躍され、忙しい頃は「寝る間もなく働いた」とのことでした。
経験を重ねディレクションが中心となり、誰もが聞いたことのある企業の広告など第一線で活躍されていました。
地元の大阪に移ったあともさまざまな案件を手掛けてきました。
今までの実績の一部を見せていただいたのですが、大手企業の広告はもちろんカレンダーや季刊誌、自治体や大学の広報、教科書など、驚くほど多くのお仕事をされています。

都会から海の近くに

大阪で仕事をしているうちスキューバダイビングを始め、和歌山県南部の海にたびたび訪れるようになりました。年齢を重ねていくうち、「体が動くうちにオフタイムを楽しめる生活がしたい」と思うようになってきました。

きれいな海の近くに住みたい。
ネットがあればどこでも仕事はできる。
しかし東京・大阪での打ち合わせなどもある・・・

そこで考えたのが、ここ白浜。
大阪までは電車・車で2時間、東京も飛行機で1時間ちょっと。空港に近く、生活にも便利なところがあれば・・・と、検討を始めました。

大阪での通勤途中にちょうど当社があり、立ち寄ったN様にご相談いただきました。
いくつかご紹介しているタイミングで、この物件がでてきました。さっそくご紹介したところ、N様のご希望にピッタリ。

空港へは車で10分もかからず、温泉街もコンビニも近くて生活にも便利。
少し古かったものの、RC造りでしっかりしています。

一目見たN様は、「ほかの方に買われる前に!」と、すぐにご成約いただきました。

デザイナーならではのリフォーム

【リビングのテーブル】

今回お伺いしたのは、リフォーム工事が終わって生活が落ち着いたばかり。
「田舎暮らし」というよりも、誰もが羨むようなリゾートオフィス兼住居として生まれ変わっていました。
外装は防水処理と再塗装を行い、内装は全面的にリフォームしました。もとの昭和の雰囲気が漂う保養所兼別荘から、一気に現代的なイメージになりました。

1階

事務所、DK、寝室があり、寝室以外は広さを利用し、1フロアで適度なスペースを挟んでオープンにつながっています。

【事務所】事務所スペース。こんな事務所でデザインワークをするのは憧れですね。
キッチンとダイニングキッチンとダイニング。「見せる」オープン収納は、まるでおしゃれな雑貨屋さんのよう。

玄関からのドア 通常の1.5倍ほどの高さの大きなドア。天井が高いので、それに合わせてオーダーしたそう。
お風呂場ここだけは元保養所のまま。温泉が引き込まれており、家にいながらにして温泉三昧。

2階

2階の広い2部屋は、主にゲストルームとして使用。広いテラスに続いているので、お部屋もさらに広く見えます。

【2Fホール】2Fホール。2Fにはシャワールーム・トイレ・洗面があり、眺めがよく広いテラスや屋上に出られます。

洋室大きい窓からテラスに続き、海も見える洋室。
和室引き戸には三日月の小窓があり、モルタル壁と合わせて現代的な雰囲気の和室。

2階に上がる階段の壁には、ボルダリングのホールド。こういう遊び心も素晴らしいですね。
階段の壁

庭からリビングを望む今年6月にリフォームが終わったばかりなので暮らしだしてすぐなのですが、とても気に入っていただいた様子。

場所柄もあり、「田舎暮らし」と上段に構えることがなく、とても快適な暮らしを楽しんでおられます。
今もお仕事は続けられており、東京に行くことも多いそうですが、白浜からなら日帰りも可能。

今後は趣味のダイビングを楽しみ、周辺のいろんなところで潜ってみたいと話されていました。
素晴らしいロケーションで、お仕事はもちろんオフタイムの充実に胸をふくらませるN様でした。


白浜町・白浜温泉

全国有数の温泉地・白浜温泉は、温暖で美しい海岸に加え「アドベンチャーワールド」などのレジャー施設もある一大リゾート地。
東京(羽田空港)まで70分の南紀白浜空港は温泉街に近く、N様宅からも車で10分以内で駐車場も無料。玄関を出て2時間後には東京に行ける、N様のお仕事にも便利なところです。

白良浜■白良浜
「白浜」の名の元になった、真っ白い砂浜。毎年5月3日に海びらきされ、南国リゾート気分が満喫できます。
アドベンチャーワールド■アドベンチャーワールド
15頭目のパンダが生まれたばかり。他にもたくさんの野生動物と出会え、イルカショーや遊園地などもあわせ全国有数のレジャー施設。

円月島の夕日■円月島
白浜のシンボル・円月島。温泉街から歩いて行けるほど近く、ぽっかり空いた海蝕洞に沈む夕日が人気。
白浜空港■南紀白浜空港
白浜温泉街にすぐ近くにある空港。東京まで1日3便運航されています。


白浜や周辺での別荘・戸建て・マンションなどがございます。温泉引き込み済など温泉地ならではの物件もございますので、お問い合わせください。

第43回 紀美野町 (有)玉一商会様「仕事はそのまま田舎暮らし」

今回も田舎暮らしの方々が多い紀美野町。人気の手作りパン屋さんなどが多く、休日には「何でこんな田舎にたくさんの車が?」と思うほど、お気に入りのお店を訪れる人が多い地域です。
今回訪れた玉置様は、ご商売をされながら田舎暮らしを始めています。

お店と玉置様ご夫婦

かつては町の中心地

玉置様のお宅は、合併前の「美里町」の役場(現在は紀美野町の美里支所)の近く、古くは町いちばんの繁華街?であった名残が地名に残る「神野市場」にあります。

玉置様に購入いただいたお宅は、以前は薬局を営んでおりましたが、閉店してしばらく経っていました。
古くは地域の大きな商家だったようで、表は昭和の雰囲気が残るお店のようですが、一歩入ると古い商家の造りになっています。

IMG_8126まずお店の裏が母屋で広い田の字の和室があり、縁側の先には噴水や石灯籠を配した中庭。2階も広い部屋があります。

お店から続く土間を抜けると、さらに広い小さな公園ほどの中庭があり、離れ、お風呂場とトイレがあります。

いちばん奥には土蔵、そして薬などを保管していたと思われる倉庫兼作業場だったような建物もあります。

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お仕事をしながら田舎暮らし

玉置様は、和歌山市内を中心に包装資材を扱うご商売「 (有)玉一商会」を経営されており、また奥様は和歌山市周辺の結婚式場などを中心に着物の着付けをされており、和歌山市内に住まわれていました。
しかしお母様が高齢になり、街中の3階建ての自宅やマンションではなかなか大変。10年ほど前からぼんやりと田舎暮らしを考えていたそうですが、3年ほど前から本格的に考え始めました。
お母様のことを考えると、静かなところで平屋がいい。しかし仕事を続けるためには、あまり不便な所はダメで、なおかつ倉庫もあるところがいい。
いろいろと探されていて、ご紹介したのがこの物件でした。

IMG_8137商品を置く倉庫・ガレージもあり、お母様が暮らす平屋の離れもある。ご夫婦が暮らす母屋も広さは十分、お店部分は事務所に。

最初は、主なお客様の和歌山市内から遠いかな?と思われたそうですが、実際に車で海南市街地や海南ICまで25分程度で、和歌山市内まで1時間もかかりません。これなら大丈夫ということで、この物件に決定しました。
少し離れたことで、お客様を訪問するのも午前中にまとめて回るようにしたことで、お仕事も効率化されたとのことです。

また奥様の着付けのお仕事も毎日通うわけではないので、この距離なら特に不便はないとのことです。
奥様は和アンティークなものが好きで集めていたものもあったのですが、家自体の雰囲気もピッタリで、残っていた火鉢や金庫もお気に入り。

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リフォーム

さて購入を決めた玉置様、古い薬店の造りのままでは少し使い勝手が良くないので、自宅を建てたときの設計士さんにリフォームを依頼しました。設計ができて大工さんや建具職人を探したのですが、古民家のリフォームは新築よりも難しく、なかなか見つからない。やっと見つかって来ていただいた大工さんは、なんと自宅を新築したときに来ていただいていた大工さん!難しい古民家のリフォームを快く引き受けていただきました。また建具職人さんも経験豊富で、現物に合わせが必要な難しい作業をこなしていただきました。おかげで古民家の良さを残しながら大満足のリフォームが完了しました。

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倉庫をギャラリーに

続いて裏の古い倉庫や蔵は、玉置様自身で整理を始めました。

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中庭の奥の倉庫は、不要なものを破棄すると広いスペースがあるのですが、商品を置くには出し入れが難しい。「何に使おうか?」と思っていたところ、設計士の娘さんが絵を描いているという話を聞きました。それなら発表する場として、ギャラリーにしようと考えました。
設計士の娘さんの作品以外にも、周辺の方々の書画を展示し、交流できる場所にしてみたい。
すでにギャラリーの名前は「ごつあん(ごつあん)」と決め、準備を進めています。

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フリーマーケット等も計画中

周辺にはおいしいソフトクリーム屋さんやおしゃれな喫茶店、町内には人気のパン屋さんや地元野菜や果物を使うジェラートのお店など、魅力的なお店もたくさんあります。
そこで、「せっかくこの地でお世話になるので、街の賑わいの一助になれば」と現在フリーマーケット等を隣接するガレージで計画されています。
地名通り、昔の「市場」だったころの賑わいを少しでも取り戻したい。玉置様の夢は膨らみます。

 みさと天文台星降るまち・紀美野町

道路が整備され便利になった紀美野町ですが、自然豊かで少し山間に行けば「みさと天文台」があり、夜はきれいな星空が観察できます。
みさと天文台は、105cmの大型望遠鏡を一般の方にも公開している、全国でも珍しい天文台です。またプラネタリウムなどもあり、観望会も開かれています。
ぜひ人気のお店めぐりと、天文台の美里町を訪ねてみてはいかがでしょうか?

 

第42回 紀美野町 高熊様「第二の人生も楽しみいっぱい」

今回訪れたのは、緑がいっぱいの紀美野町の山あいにある高熊様のお宅です。
谷川沿いの静かなところですが、実は高速道路の海南東ICから車で30分もかかりません。大阪からも1時間ちょっとで来られるため、孫を連れて遊びにくる息子さんや、大阪の友人が遊びに来るのを楽しみにされています。

外観

高熊様のお宅は、昭和30年代に建てられた母屋に加え増築した部分もあるので、平屋ながらなかなかの広さがあります。十分な駐車スペースに加え、車が3台ほど入るしっかりした車庫もあります。
外観は和風ですが、玄関を入って招かれたリビングにびっくり!

リビング

ダイニング・キッチン・和室に加え、掘りごたつふうのスペースまであります。柱を残しながら開口部を広くとり、まるで別荘のモデルルームのようです。

これをなんと!ご主人が自分でされたとのこと。お兄さんが大工さんなので少し手伝ってもらったそうなのですが、ほとんどをご自分でされているそうです。

 退職後の暮らしのため、早くから購入

高熊様ご夫妻ご主人は今年の3月に定年退職されたのですが、実はここを購入いただいたのは8年前。
「定年後は田舎暮らしをしたい」と思ったのが10年ほど前で、ご夫婦共通の趣味である陶芸ができるところを探していました。

ご夫婦ともに富山県の出身ですが大阪暮らしが長く、また息子さんも大阪に居ることから、温暖で大阪から便利な和歌山で探すことにしました。
しかし何度か遊びにきたことがあるものの、くわしい地理まではわかりません。

当社(スエタカ)のホームページなどを見て、物件の住所を見ていろいろな地域を見て回ったそうです。それで良さそうなところに目星を付けていったのですが、気に入った物件はどんどん売約済になっていきます。
そこで、退職までは年数があったのですが気に入ったこの家を購入することになりました。

直前まで前の家主が暮らしていたので、浄化槽も付いて水回りもすぐ使え、増築部分にも水回りがあるので自分でリフォームするにもぴったり。退職までは別荘のように使いながらリフォームしていくことにしました。

 屋根裏に何かいる!

作業用の道具

始めは週末にしか来られず、空き屋状態になっていました。
ある日、久しぶりに泊まっていると夜に屋根裏から音が・・なにか動物が走り回っているようです。
天井板を少し外して見てみると、なんとアライグマが!
誰もいないうちに入り込んでいたようです。町役場に相談したところ、捕獲してもらえました。

もともと天井が低く古かったので張り替える予定だったのもあり、まずは天井のほとんどをはがして掃除し、リフォームに取りかかりました。ここで早く買ったのが幸いし、作業中もホコリのなかで生活することもありませんでした。

 早くから地域に溶けこんで

早くから購入して、週末に来ては近所の人や周辺の農作業している方とお話ししていたことで、少しずつ地域の皆さんに溶け込んで行くことができました。定年まで5年以上もあるのに購入は早いかな?とも思ったそうですが、逆に少しずつ地域に溶けこめたのでよかったとのことです。
実際には定年退職後、今年の5月に引っ越してきたばかりですが、すでに顔見知りになっていたためスムーズに生活を始めることができました。

 リフォームのあとは、いちばん楽しみにしていた陶芸を

作品

田舎暮らしの理由の一つは、ご夫婦共通の趣味である陶芸。大阪では教室に通っていたのですが、定年後は思う存分やってみたい。
そんな話を知人にしていたところ、しばらくしてから「陶芸教室をしている親戚が教室をやめるので、陶芸の窯や道具はいりませんか?」とお話をいただきました。これはもう何という縁でしょう!

さっそく譲り受け、広い車庫に設置しました。そのうえ釉薬や土までいただいたので、いつでも始めることができます。

陶芸教室の友人も楽しみにしてくれていますが、引っ越してからまだ3ヶ月。やっと一部のリフォームが終わったばかりなので、「来年には」と待ってもらっています。
そのときは泊まってもらって一緒に陶芸をしようと楽しみにしています。

猫の時計
奥様お気に入り、猫の時計。奥様のキャラクターそのものの、楽しく幸せそうな作品です。

窯
車庫に設置した窯。煙突も取付け済で、活躍の日を待っています。 

畑仕事も楽しみ

この家に決めたもう一つは、広い畑があること。都会暮らしだったので不慣れなのですが、近所の「先生」に教えてもらいながら始めています。

畑
リビングの窓から見える畑。手前は「先生」の畑で、その先が高熊様の畑。
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サツマイモを植えていて、そろそろ収穫かな?と思っていた矢先、イノシシに食べられてしまいました。しばらくは柵の強化に手がかかりそうです。

 第二の人生は楽しみいっぱい

家のリフォーム、陶芸、畑。早くから夢見ていて、定年退職後すぐに実現に移した高熊様。
便利な都会から180度違う田舎暮らしですが、大阪から1時間ほどと近いことや準備期間があったことから、特に抵抗もなく新しい生活が始まりました。

海南ICからの道路は、一部細いところもあるのですが、バイパスが整備されつつあるので今後ますます便利になると思います。
リフォームが一段落ついたあと、友人を招いて陶芸をしたり、息子さん家族が遊びに来ている姿が目に浮かぶようです。